東京大学のHPで、「AIを引っ提げてやってきた大学院生」という衝撃的な記事を見つけました。 記事によれば、経済学をほとんど学んだことがない学生が、生成AIを活用して1年かけて研究を行い、その成果について経済学者に意見を求めたとのことです。
経済学研究科の小川光教授がその研究を評価したところ、専門誌に挑戦できるほどの高い水準にあったそうです。
教授が驚いたのは、その学生が経済学の専門教育を一切受けておらず、研究のアイデア出しから、先行研究のレビュー、データ分析、英語での論文化まで、ほぼすべてをAIツールとの対話と独学で1年間かけて行っていたという点です。
教授自身もAIを研究に利用しているそうですが、専門外の分野でAIの力を借りて高いレベルのアウトプットを出すAIネイティブの登場に、恐怖さえ感じたと率直に綴っています。
さらに興味深いのは、学生が教授に意見を求めた理由です。AIは彼の研究を「国際誌に通用する水準」と評価したものの、彼自身には経済学の素養がないため、その評価が正しいのかわからないと感じたからでした。
これからも素人が国際誌に通用する水準で異分野に挑む人が増えてくると思います。自分の専門分野の効率化にだけ生成AIを用いるのは勿体ないのではないでしょうか。
