知財AIエージェント

AWSの記事に「知財AIエージェント」を開発したという事例が紹介されています。注目すべきはその「実装の深さ」と「内製へのこだわり」です。

この知財AIエージェントは、特許庁のXML生データから独自の特許検索データベースを構築し、それを生成AIシステムと連携させています。これは、単にAPIを利用したり、プロンプトを作成したりする段階を大きく超えた、本格的なシステム開発です。

最大の戦略的ポイントは「内製化」

この複雑なシステムを外注に頼らず、内製することによる最大の利点は、システムの「ブラックボックス化」を排除できることにあります。内部処理がすべて把握できるため、なぜその結果を出したのかという「説明性」が格段に高まります。

知財業務において、判断の根拠やプロセスは極めて重要です。AIの回答を鵜呑みにするのではなく、そのプロセスを説明できることこそが、業務の品質と信頼性を担保します。

この事例は、AIを「使う」から「作る」フェーズへの移行を示しています。自社の業務プロセスに最適化し、かつ説明性を確保するため、今後このように高度なAIシステムを内製する企業は、ますます増えていくのではないでしょうか。