サイエンスの時代
Googleの勢いが止まらない。Bardと呼んでいたころの生成AIは使えなくて、ChatGPTの独壇場かと思われたが、Geminiの登場でついに逆転しそうな勢いになってきた。これはGoogleが「サイエンスの時代」に向け、着実に力を蓄えていた証拠なのだろう。
この背景には、流行に乗るだけでは到達できない領域を見据えたGoogleの姿勢がある。あらゆる産業は高度化すると、その進歩は必然的に表面的な改善から、原理原則に基づく科学的なアプローチへと収斂していく。Googleもこれに則って「サイエンス」としてAI基礎研究へ深く投資し続けてきたのだろう。
多くの生成AIモデルの基礎となっているTransformer技術についても、Googleは特許権を独占的に権利行使する道を選ばず、技術力で真っ向から勝負したと考えられる。このオープンな戦略が、結果としてAI分野全体の発展を促し、Google自身の技術革新へと繋がったと言える。
テクノロジーカンパニーにおいては、優れた技術があってこその知財であり、知財だけで技術が伴わなければ真の進歩は望めないのではないだろうか。